父親が親権を取得するには

離婚において父親が親権者になるケースは、母親が親権者になるケースと比べて少ないことは司法統計からみても明らかです。しかし、社会的な変化もあり、多様な家庭環境が見受けられる現代では少しずつ変化もみられています。ここでは、父親が親権者となれるケースについて詳しく紹介しています。

父親が親権者になる割合

離婚弁護士によって離婚が成立した後に父親が親権者となるケースは、圧倒的に母親と比べると少ないです。離婚調停が裁判所に申し立てられたケースではおよそ2割程度しか父親が親権者となったことはなく、親権者として認められても、監護者は母親となっていることも少なくありません。これは、母親が親権者を強く望むと同時に母と子が一緒に生活することが、子育て環境に適していたり、現に母親が子どもと生活するケースが多いという実情が関係しています。加えて裁判所においても子どもが幼児であり、母親が監護・教育することが不適切だとするような特段の事情がない限りは、子の福祉に適し、母性優先の原則という観点から、一般的に母親の監護環境を優先させることに起因しているからです。

父親が親権者となるケース

父親が親権者になることが少ないとはいえ、実際に親権者になれるケースもあります。確かに父親が離婚後に親権者となるにはハードルは決して低くないですが、現に審判・裁判例においても、父親が親権者となるケースは存在するわけです。たとえば、母の監護環境が子どもにとって不適切であると認められた場合には、父を親権者とすることになりますし、父母の監護環境について、優劣がつかない場合でも、現実に父が監護しており、その監護状況に問題がなく、現在の監護環境の継続が求められるような場合には、父親を親権者として認めるケースもあります。具体的には2歳になる子どもが父と同居しており、父母の監護環境に優劣がつけにくいケースで、母親が親権者を自分にするよう求めた審判事件について、母親の性格における未熟さと依存性、持病のぜんそく、父親側の監護の援助者の存在が決め手となり、現在の環境を変える必要がないと、父親の親権が認められたのです。

父親の経済力について

親権者の判断は、離婚弁護士によって離婚したの父母の経済的な能力の差異によって結論が変わることはありません。子どもにとって経済的に恵まれた環境が望ましいというのは疑いようがないことですが、養育費分担の制度がある以上、養育費についても考慮した上で、監護環境が考えられます。つまり、父親に高額な所得があればその分、養育費も増えますので母親の監護環境にも影響するわけです。よって、経済力についても、あくまでも諸事情の一つとして考慮されるにとどまります。また、経済力に関連して、母親が親権者となり、離婚前は専業主婦だったケースでは、離婚後は母親も仕事に出ることになり、十分に子どもと接する時間の確保ができないということを、父親側が指摘することもあります。しかし、これも決定的な要因にはならず、保育園を使うことにより、母親の監護環境は不適切でないと判断されるのです。これは有利、不利ではなく子どもにとって、最適な監護環境が優先されるものです。